はじめに|選ばない男が、なぜ一歩を踏み出せなくなるのか?
「いい人がいれば結婚したいんですけど…でも今じゃない気がして」「プロフィールは悪くない。でも、なんかピンと来なくて保留で」
婚活の現場で、こうした”選ばない理由”を並べる男性は実はかなり多いんです。そして気づけば、半年、1年と過ぎていく——”誰とも会わないまま”。
今回も、婚活でつまずく男性の「決められない心理」を、行動心理学の視点から紐解いていきます。
「決断疲れ」が、婚活の選択を奪う瞬間
心理学では「Decision Fatigue(決断疲れ)」という概念があります。人間の脳は、1日にできる意思決定の数に限界があり、選択の連続で”選ぶ力”そのものがすり減っていくという理論です。
ある40代男性。平日は仕事、休日は家事やスマホ整理に追われる毎日。マッチングアプリを開いてみるも、「何人かいいねが来てるけど…なんとなく気分じゃないな」で終了。
その繰り返しで「ずっと婚活してるつもり」でも、”実際には誰とも会っていない”ことに数ヶ月後気づいて衝撃を受けていました。
選ばないのは、決断できない弱さではない。脳がもう、選ぶ余力を失っているだけなんです。
選択回避=決めたあとの”責任”が怖くて動けない
「これでいい」と決めた瞬間、他の可能性がなくなる。そして、うまくいかなかったときは「自分の判断ミス」に直結する。この不安を避ける心理を「Choice Deferral(選択回避)」と呼びます。
実際、ある男性は「アプリでマッチした女性のプロフィールはよかったけど、もし微妙だったら後悔するかも」と保留にし続け、最終的には”未読スルー”状態に。その後、「今思えば、会ってもよかった」と振り返っていました。
婚活は”選ばないほうが安全”に見える場面が多すぎる。でもそれは、未来の可能性ごと封じてしまう罠でもあるんです。
「選ばないこと」が最大の損失になる現実
選ばずに保留し続けると、表面的には安心かもしれません。でも裏側では、”機会費用”という損失が静かに積み重なっていきます。
たとえば:
- 今日会わなかった1人は、本当は価値観が合う人だったかもしれない
- 今月始めなかった婚活は、来月の出会い数を確実に1つ減らす
- 1年迷い続けたことで、行動力も自己信頼感も少しずつ落ちていく
機会費用とは、「選ばなかったことで失われた別の選択肢」のこと。婚活では、”保留している間に消えていく縁”という形で実感することが多いです。
「選べる人」になるための、思考リセット術
✅ “100点の選択肢”など存在しないと理解する
婚活における正解は、”完璧”ではなく”最適”です。「あとちょっと違う」を理由に見送ってばかりいると、出会いは永遠に”手前”で止まり続けます。
ポイントは、“ズレを許容できるか”という視点で判断すること。完全一致ではなく、”少し違っても大丈夫そうか”の安心感で決める練習をしてみましょう。
✅ 判断軸を「情報」から「体感」にシフトする
実際に交際がうまくいくかどうかに影響するのは、年収・趣味・住まいなどの情報よりも、むしろ「一緒にいてしんどくないか」です。
- 沈黙が不快じゃない
- 会話が自然に流れる
- 自分を演じなくても済む
これらは数値化できません。でも、「心地よさ」は最も信頼できる体感値なのです。
まとめ|選べないのは”思考のクセ”。ならば、脳の構造から変えていく
婚活で決断できないのは、優柔不断だからではありません。現代は、情報が多すぎて選ぶだけで脳に負担がかかる時代。
だからこそ、”選びやすい環境を作る”ことが最初の一歩です。
- 完璧に合う人などいないと知る
- 情報よりも、体感に軸を置く
- 選ばなかった代償を見える形にする
これらを踏まえるだけで、「選べない自分」から少しずつ脱出できます。
最後に:「選ぶ=可能性を潰す」ではない。「育てるきっかけになる」だけ
決断は怖いものです。でも、選ばない日々の中に、本当の損失が潜んでいることにも気づいてほしい。
婚活の決断とは、「この人にする」ではなく、「この人と育ててみようかな」にOKを出すことです。
その一歩を踏み出すだけで、未来の空気が変わります。